バイナリーオプションという取引を一度は聞いたことがあると思います。主にドル円など為替取引が対象ですが、FXと並んで個人投資家に人気の商品になっています。バイナリーオプションの特徴は、勝てば満額の払い出しを受けますが、負ければ証拠金の全てを没収されます。ハイリスクハイリターンですが、数百円から始められるので、ポケットマネーを投資する感覚でトレードを行っている投資家も多いです。
コンテンツ目次
バイナリーオプションの仕組みについて
主力は「ラダー取引」
バイナリーオプションの長所は、なんといっても勝負の分かりやすさにあります。例えば、ラダーと呼ばれる現在の主力のシステムの場合、円高・円安にかけて判定時間にその値段に到達しているかどうかを予想します。例え0.1銭でもクリアできていたら満額の払い出しを受けられるので、相場が動かない時などはバイナリーオプションの方がFXよりも稼げやすいと思います。
ラダーの勝敗
現在のバイナリーオプションの主力の「ラダー」の取引方法です。
【ドル円の場合】
取引時間内に、ある価格より「円安」か「円高」を選びます。
⇒判定時間に、その価格より実際に「円安」か「円高」になる予想があたっていたら勝ち。
予想が当たれば満額の払い出し!外れれば全額没収
一枚あたりの証拠金の単位は1円~999円です。実際にトレード画面を使って説明しましょう。
バイナリーオプション(ラダー)のトレード画面を使った説明
実際のドル円のトレード画面を使って解説します。まず111.497という数字が見て取れると思います。これが現在の価格です。
21:00というのが判定時間で、この時にドル円の価格がどうなっているかで勝負します。現在時刻が20:30付近なのであと30分くらい時間があることになります。
ラダーの場合、いくつか判定価格を選ぶことができるようになっています。普通は7つの判定価格があり、そのうちのどれか(複数も可能)を選ぶことができます。近くに111.480があるのでこれを判定価格に選んでみます。判定時間に111円48銭より円高か円安になるかを予想することになります。
もし円高を選ぶ場合には、「円高」と書かれた注文板をクリックして「円高」のオプションを購入します。
判定時間まで30分待ちます。
30分後に判定結果が出ます。
このように円高になりました。予想が当たったので払い戻しがあります。
注文板の方でも予想があったことで○の印がついていますね。
バイナリーオプションの払い出しについて
バイナリーオプションの場合、0円から1000円までの価格がついています。実際に購入できるのは1円~999円までです。これがそのまま一枚の値段になるので、値段的には少額から始めることができます。
払い戻しは、予想が的中した場合が1000円、外れた場合は0円です。
購入した値段がそのオプションのコストになります。
例)500円で買った場合
予想的中 1000円⇒500円の利益
外れ 0円⇒500円の損失
例2)900円で買った場合
予想的中 1000円⇒100円の利益
外れ 0円⇒900円の損失
例3)100円で買った場合
予想的中 1000円⇒900円の利益
外れ 0円⇒100円の損失
当然、オプションの値段が小さいほど利益は大きくなります。ただ、判定価格から遠く離れているほど値段は小さく、入る可能性が小さくなります。判定価格を既にクリアしているものは値段が大きく、当たりやすいですが、利益が小さくなります。
バイナリーオプションと価格帯
価格帯によって三つの呼び方がある
バイナリーオプションでは、どの価格帯で勝負するのかがとても重要ですが、オプション取引ではそれぞれの価格帯に名前がついています。
判定価格に到達して余裕があるもの イン・ザ・マネー |
判定価格と現在価格が同じ アット・ザ・マネー |
判定価格に現在の価格が及ばない アウト・オブ・ザ・マネー |
これは重要な呼び名なのでこの三つは覚えてください。チャートで表します。
円高方向で考えてみます。111.380が現在価格ですが、ここを基準に比較します。もしこのまま判定が終了した場合を考えてください。
イン・ザ・マネー
例えば、111.300は今の値段より円高なので、「円高」が勝ちになります。このようなケースがイン・ザ・マネーです。実際にもかなりの確率で勝つことができるでしょう。しかし、確率が高い分、最初から値段が高く(例900円)千円払い出しの時の利益は低いです(利益=100円)
アット・ザ・マネー
111.400は現在の値段とほぼ同値なので、アット・ザ・マネー
と呼びます。ATMという略号が使われるのでこの呼び方も覚えておいてください。この場合、値段は500円くらいで入る確率も半々です。(この例ではやや円高なので正確に言えば少しアウトになります)
アウト・オブ・ザ・マネー
111.450以上の判定価格は値段が離れているので、アウト・オブ・ザ・マネーと呼びます。円高で勝負するには、ここまで為替が動かないと「負け」になってしまいます。勝つ確率が小さい分値段は安くなっています。その分、1000円払いだした時の利益が大きくなります。
離れれば離れるほど、元のオプション価格は安くなります。111.600などは遠く離れているので価格は100円だったりします。この場合、予想があたって1000円払い出しの時は差額の900円が利益になります。
三つの価格帯の呼び方のまとめ
判定価格に到達して余裕があるもの イン・ザ・マネー |
値段が高く勝つ確率が高い。利益は小さい |
判定価格と現在価格が同じ アット・ザ・マネー |
値段は500円付近。勝つ確率は半々。利益は中くらい |
判定価格に現在の価格が及ばない アウト・オブ・ザ・マネー |
値段が安いが勝つ確率が低い 利益は大きい |
どの価格帯で勝負するかはトレーダーの自由です。ただ、後述するスプレッドのコストを考えれば、アットザマネーで勝負するのがいいように思われます。インザマネーは勝ちやすいですが、利益が少なく、負けた時には900円を支払わなければならないので損失が大きいです。
建てる金額について
このように少額でできるバイナリーオプションですが、もちろん数百円でやればほとんど利益は出ません。業者にもよりますが、一回の建玉は数万円~数十万円建てられるところが多いようです。バイナリーオプションは少額でできますが、投資金がなくなるか倍になって返ってくるかというような世界なので、余り過剰な建玉は控えたほうがいいでしょう。
スプレッドについて
注文板でわかるスプレッド
バイナリーオプションでは、スプレッドの形でFX会社が手数料を取っています。注文板を見れば具体的にその額がわかります。
このように、「円高」「円安」どちらの場合も、「購入価格」と「売却価格」の差があるが見て取れます。この場合は50円になっています。これがスプレッドで業者の取り分です。約十分の一がスプレッドなので少し大きいです。ただ、勝てば倍近くになるのでそれがバイナリーオプションの魅力になっています。
スプレッドは業者や時間帯によっても変化します。基本的にこのスプレッドが小さいところがいい業者だということになります。
業者とスプレッド
YJFX! 「オプトレ!」50円(5%) |
FXトレード・フィナンシャル 「バイトレ1000」50円(5%) |
GMOクリック証券 「外為オプション」50円(5%) |
FXプライム byGMO 「選べる外為オプション」80円(8%) |
トレイダーズ証券 「みんなのバイナリー」90円(9%) |
このようになっていますが、50円の業者でも80円(8%)の時間帯があったり、重要な指標発表前にはスプレッドが大きくなったりします。スプレッドの大きさは実際にトレード画面を見て、常に確認するようにしましょう。