仮想通貨時価総額3位のメジャーコインであるリップル(XRP)、その今後についての考察を機能・価格・将来性の3つの観点から解説いたします。リップルとはどのようなコインで、どんな目的があるのかも本記事でわかります。
コンテンツ目次
リップルの今後を「機能」から考察
リップルとはどういう機能を持った仮想通貨なのかについて解説していきます。まず、ご理解いただきたいのが「リップル」というのはRipple Labs,INCという企業が提供する送金プラットフォームの名称で、正確には仮想通貨の名前ではないという点です。
リップルというプラットフォームで流通する仮想通貨は「XRP」という名称で、リップルコインとして仮想通貨取引所などでやりとりされているのはこのXRPです。本記事ではリップルとXRPを明確に区別して解説しますのでご了承ください。
リップルの提供するサービス
まずリップルという送金プラットフォームについてです。リップルは以下のような3つのサービスを提供しています。
- Ripple Net
- xCurrent
- xRappid
上記のサービスの基本は「送金をスピーディーかつ低コストで実行するシステム」です。Ripple Netが銀行などの金融機関同士の送金、xCurrentが一般企業、xRappidが国際送金に特化したものです。
リップルと現金とビットコインの違い
それでは、送金においてリップルがどういった役割を担い、どのようなメリットがあるのかを解説いたします。
企業Aが企業Bに100万円分の送金をすると仮定して、その流れを現金とビットコイン、そしてリップルでそれぞれ比較してみます。
現金の場合
- 企業Aの社員が自社の口座のある銀行に足を運ぶ
- 銀行で送金手続きを行い
- 銀行が企業Bの口座に振り込む
- 企業Bが金額を確認して取引成立
現金での送金の場合は、銀行という仲介業者を経由せざる得ないもので、これが現在のビジネスシーンでの主流です。
当然ながら、銀行への仲介手数料が発生して、さらに銀行の営業時間によっては相手先へ送られるのが翌日以降になることもあります。
ビットコインの場合
- 企業Aが自社の所有する仮想通貨ウォレットからビットコイン100万円分を企業Bのウォレット宛に送金する
- 企業Bが送金されたビットコインを確認して取引完了
上記のように、ビットコインは仲介役を担う組織がいないので、ダイレクトに送金することが可能です。
現金の代わりにビットコインを使用することにより、リアルタイムかつ低コストな送金を実現できるようになるということです。
リップルの場合
- 企業Aがリップル内で現金100万円分をXRPに換金して企業Bに送金する
- 企業BがXRPをリップル内で受け取ったXEPを現金に戻して取引完了
基本的にはビットコインと同じく、企業間でダイレクトに送金するものです。違いは、そのやりとりをリップルという特殊空間で行うという点でしょう。
リップルの目指すところ
上記の違いを比較すると、現金よりも仮想通貨の方が送金という面に関しては優れていることがわかります。では、ビットコインとリップルではどのような違いがあるのでしょうか?
XRPという仮想通貨は、現金に変換することを前提に流通します。それが意味するところは、既存の金融システムや支払いシステムとの親和性が高いということです。
上記の例でいうなら、ビットコインでの送金なら企業Aは自社の資産の一部をビットコインに変えて所有していなければなりません。しかしリップルなら、現金をリップル内でXRPに変換するだけなので、感覚的には現金を直接送るようなものです。
ビットコインを含む多くの仮想通貨は既存のシステムを覆すような仕様ですが、リップルは既存のシステムを手助けするような仕様です。「実用化」という面においては、どちらの方が現実的なのかは明白と言えるでしょう。
どれほど優れた機能を持っていても社会で実用されなければ意味がありません。そういった意味では、リップルは実用化に至るまでのプロセスがスムーズであると考察でき、今後の発展も期待できるものでしょう。
リップルの今後を「価格推移」から考察
リップル(XRP)は2017年の6月に取引所に上場して、そこからはウナギ上りで上昇して年末には約200倍の400円の値をつけました。
しかし、この時期はほとんど全てのコインが同じように上昇していて、仮想通貨界そのもののピークだったため、リップル(XRP)もその波に乗っていただけとも取れます。
注目すべきは2018年4月の値動きでしょう。年始から他の仮想通貨と同じく価格が大きく下落し、50円台だったリップル(XRP)が急激に盛り返して100円近くまで上昇しました。
その理由は諸説ありますが、リップルに大口の投資をしているSBIという企業の社長が証券コンソーシアムの会長を努めることが発表されたからと言われています。
リップルは様々な企業から投資を受けたり、業務提携を結んでいるため、このようなニュースに市場が反応しやすいと考察できます。
今後、また新たなリップルやその関連企業の重大ニュースが発表されれば、再び上昇を見せる可能性が大いにあります。
リップルの今後を「将来性」から考察
将来性とは端的にいうと「この先発展して世の中に流通するか」ということです。仮想通貨においては、「投資対象ではなく本来の目的に見合った需要を確保できるのか?」が将来性を左右するものと言えます。
リップルの本来の目的は送金プラットフォームを世界中の企業に利用してもらうことです。つまりは、リップルの将来性の鍵は企業とのパートナーシップにあると考察できます。
リップルと業務提携している企業
- Apple
- 三井住友
- SoftBank
- Microsoft
- Bank of America
- りそな銀行
上記はリップルとパートナーシップを結んでいる企業一覧です。いずれもビックネーム揃いで、この他にも多数の企業・金融機関がリップルと提携していてその数は100社以上です。
これほどの企業がリップルの将来性にかけている事実は、リップルの発展および実用化の未来が具体的であることを物語っています。
リップルの最新ニュース
- 2018年5月9日 SBI Ripple Asiaが韓国大手取引所と提携
- 2018年6月5日 リップルが世界17大学と提携
- 2018年6月6日 仮想通貨XRPを使用したxRapidの正式版を近日リリースと発表
- 2018年6月25日 リップル社CEOがCoinbaseに上場求める
このようにリップルの躍進は止まることを知りません。特に2018年はリップルのサービスが実用化に向けての進捗に関するニュースが多いです。
今年中にはリップルのプラットフォームを利用したサービスをリリースすると、公言している銀行や企業もあります。
もしも大手企業や金融機関のどこかがリップルを利用したサービスや商品を売り出せば、一気に具体性を帯びて、リップルの将来性は頭ひとつ抜けたものになるでしょう。
まとめ
2017年末のピークを迎えてから、仮想通貨相場は下落し続けています。価格だけを見ればリップルも同様であり、そのあり様に不安を感じるユーザーや、将来性を疑問視する声も少なくないでしょう。
しかし、これまで述べたとおりリップルの本来の目的は投資商品を売り出すことではなく、自社のサービスを多くの企業が利用してもらい、送金のあり方を進化させることです。
そのための活動は現在も滞ることなく進められ、着々と成果を挙げています。リップルの実用化がなされ、社会を大きく変容させる日そう遠くないのかも